そのロック的な並びの美しさに見惚れていると、その前ではシーナさんが歌い、鮎川さんがブラック・レスポールを弾いている。こんな風に視覚的に輝かしいほどのアピール度があって、かつ音も強靭なバンドは他にいないと、つくづく思いました。以前、テリー伊藤さんがテレビで「シーナ&ロケッツのライブを是非観に行ってください。外国のバンドみたいですから。」とおっしゃっていましたが、時に漆黒に時にきらびやかに、本当に絵になるステージングとブルースやストーンズやキンクスやロネッツ他のルーツ・ミュージックに最大の敬意を表しつつ、パンクな精神でドクター・フィールグッドやパイレーツやラモーンズのような強靭なビートとラウドなサウンドを志向する姿勢の共存から来る「これが本物!!」という感じは、「外国のバンドみたい。」という言葉が本当にぴったりきます。

川嶋さんの方を振り向いて「ガガッ ガガッ」とやり、その直後お客に方に体を反転させて、曲に突入した鮎川さんの瞬間的な動きのかっこよさがまさにロック!だった"The Jungle Of Love"。


これでもかこれでもかって感じでグングン押していくバンドのグルーブと激しい音の壁をバックにシーナさんが救世主のように叫ぶ"Vacuum Truck"、「でも泣かないといられない時があるんだ」という人間の心の核心を歌うブラインド・ウィリー・ジョンソンのゴスペル・ブルースの心とそれをかっこいいロックにしたアル・クーパーの精神のその両方とも引き継いだかのごとくシーナさんが歌い、鮎川さんがレスポールを弾く"I Can't Keep From Cryin' Sometimes"と"Rock The Rock"からのナンバーを演奏するロケッツを食い入るように観ている若い男の子や女の子のいい感じや演奏が終わった後の暖かい拍手に嬉しい手応えを感じました。それにしても、東京からその日に飛んで来て、リハーサルもなく、あんな凄い演奏をやってしまうシーナ&ロケッツ。キャリアというより、そんじゅうそこらのロッカーとは違うロックに向かう高い精神性を感じざるをえません。あのジョニー・サンダースが「ぼくらが子供の頃にローリング・ストーンズやヤードバーズは、目の前で汗を流しながらロックを伝えてくれる存在だった。その素晴らしい時代を味わえない今の子供たちにそれを伝えていきたい。」と語っていたという記事をライブの後、偶然目にして、「答えはそこにあった!」という感じで、ジョニーと同じ心意気を心の奥深く持っている4人だからこそ、ロックであんなに輝いて、人の心を元気にするライブがやれる。そう確信できた、個人的に大きな収穫のあったROCK MONSTER FESTIVALのシーナ&ロケッツのワンナイト・スタンドでした。



<Setlist>
2000/7/22(sat)Midnight Sheena & The Rokkets @ Rock Monster Festival
福岡県糸島郡志摩町"リゾートホテルウエストコースト志摩"特設野外ステージ"

1.Virus Capsule ビールス・カプセル
2.Hoochie Coochie Man フーチークーチーマン
3.You Really Got Me ユー・リアリー・ガット・ミー
4.Vacuum Truck バキューム・トラック
5.I Can't Keep From Crying Sometimes(Al Kooper/Blind Willie Johnson) 泣かずにいられない
6.Jungle Of Love ジャングル・オブ・ラブ
7.Lazy Crazy Blues レイジー・クレイジー・ブルース
8.Lemon Tea レモンティー
encore
9.Satisfaction (Jagger - Richards) サティスファクション

ロック・モンスターのシーナ&ロケッツの音を聴け!!
Rock Monster Radio on RokketsWEB Setlist2000


Thank You, Rock Monster Festival '00 !! It's a Beautiful Midnight !! Rock The Rock !!!!!!!!!!!!!!!



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